元ITエンジニアのキャリアアドバイザーが語る、今注目のエンジニア系職種3選

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「ITエンジニアとして目の前の案件を一生懸命こなしてきたけど、このままで良いのだろうか……」
「これまで積み重ねてきた知識・経験が技術革新によって無用のものになってしまうのではないか」
「もっと上流工程から携わりたい、自社側に行きたい、ステップアップしたい」

社会に出てキャリアを積みながらも、このような悩みを漠然と抱えているITエンジニアの方は多いのではないでしょうか。
特にここ数年は有効求人倍率も上昇しており、2018年1月の厚生労働省の調査では1.59倍と1985年に調査を開始して以降、過去約30年で最高値を更新。まさに「売り手市場」な世の中と言えます。
好景気なだけにあらゆる職種で需要が伸びてはいますが、その中でも自分の経験を活かしながらさらにステップアップできる職種はないものか……そう考える人もいるのではないでしょうか。
今回は、元ITエンジニアで現在はパソナキャリアにてIT業界専任のキャリアアドバイザーを務める亀田から、「今注目のITエンジニア系職種3選」をご紹介します。

キャリアアドバイザー亀田が語る「注目の職種」3選

パソナキャリアではITエンジニア系職種の求人を多数取り揃えていますが、実際にここ数年で求人数の伸びが高く、これからの動きに注目したい職種はどういったものなのでしょうか。
キャリアアドバイザー亀田が選んだのはこの3つでした。

  1. 情報セキュリティ関連職種
  2. データ分析関連職種
  3. 社内SE


一言に「注目」と言っても、職種ごとに選ばれる背景・理由はさまざま。そこのところ、IT業界の採用状況についての知見も含めつつ詳しく教えてもらいましょう!

なぜ「情報セキュリティ関連職種」が注目されているの?

上記の表は、2015年1月から2017年12月にかけてパソナキャリアで取り扱っていた情報セキュリティ関連職種(セキュリティエンジニアなど)の求人数の推移をグラフにしたものです。
2015年1月と比べると、2017年12月には求人数が4.3倍となっています。ここまで急激に増加した背景には何が潜んでいるのでしょうか。

キャリアアドバイザー亀田の解説

2015年から現在までの情報セキュリティまわりにおける環境の変化と言いますと、一番はやはり「ランサムウェア被害の急速な増加」と言えるでしょう。
トレンドマイクロ社が発表している資料によると、2015年の全世界の法人利用者におけるランサムウェア検出台数は3万件を超え、2014年の2.3倍に増加したそうです。日本でもこの年に前年比16.2倍、650件の被害報告が寄せられており、この頃から国家だけでなく、民間レベルでもセキュリティを重要視する流れがきていることは間違いありません。

加えて、近年IoTの普及により、あらゆるデバイスがネットワークに繋がる時代になりつつあります。
ネットワークに繋がるということは、つまりハッキングの対象になりえるということ。そこのセキュリティをどう担保するか、というところも大きな課題となっているため、IT業界に限らずコンサルティング業界、製造業界などでも情報セキュリティ系のエンジニアの需要は増加傾向にあります。なので、求人数もこのように跳ね上がっているのでしょう。
経済産業省が2017年に行った調査では、情報セキュリティ系の人材は2020年までに約20万人不足するといわれています。既に足りていない状況ですので、これからも需要はどんどん拡大していくこと間違いありません。

なぜ「データ分析関連職種」が注目されているの?

続いてご紹介するのは、データ分析関連職種。こちらは2015年1月と比べると2017年12月には求人数が1.5倍となっています。この背景は何なのでしょうか。

キャリアアドバイザー亀田の解説

昨今のデータ分析関連職種の需要の拡大は、企業が収集・蓄積できるデータ量の増加が主な理由です。
HW機器の小型化、性能向上と価格低下、通信技術の発展、スマートフォンという新しい概念の情報処理端末の誕生により、企業が保持できる情報の量と種類が圧倒的に増えたことが背景にあると言えます。

2009年にGoogle社のハル・ヴァリアン氏が「21世紀の最もセクシーな職業は”statistician(統計家)”だ」と発言し、2010年ごろから”ビッグデータ”という概念が世の中に登場してきました。
そして、2012年にはハーバードビジネスレビューがデータサイエンティストという職種を「21世紀の最もセクシーな仕事である」とヴァリアン氏の発言を引用しつつ取り上げ、アメリカのデータ利活用ブームがスタート。
数年のタイムラグを経て2013~2014年ごろから、日本企業でも自社に散在しているデータを統合し、利活用することを意識するようになったのです。

とはいえ、2018年の現在でも、様々な業務システムのDBに散在しているデータをちゃんと利活用できている日本企業は多いとは言えない印象があります。
当たり前ですが、データ分析はデータが無ければ行うことができません。それも、データ分析用に整備されたデータが必要です。社内に散在しているデータの中身を理解し、企業が行いたい分析は実際に社内にあるデータだけで行うことができるのかを判断することはもちろんのこと、データ分析の前段階であるデータの前処理ができる人材が求められています。

また、今までゆるやかにリンクしつつも各々独自に進化を遂げていたクラウド、人工知能、AI、IoTなどの技術要素が相関関係を持つようになってきました。単なる足し算ではなく、掛け算のシナジーがここに起きています。IoTにより、膨大な情報を収集することができるようになり、それをクラウドに蓄積することも可能になってきました。これまでとは比較にならないほど巨大なビッグデータの誕生により、今後もデータ分析関連職種の需要は増え続けていくと考えられます。

なぜ「社内SE」が注目されているの?

最後に選ばれたのは「社内SE」。2015年1月から2017年12月までの間に2.1倍の増加率となっていますが、この結果はなぜなのでしょうか。

キャリアアドバイザー亀田の解説

これは間違いなく、「いざなぎ景気超え」と言われる現在の景気拡大の流れによるものですね。
確かに需要は増えているのですが、これは日経平均株価が25年ぶりの高値水準であると言われていたり、多くの企業が最高益を更新していたりすることで、企業側がコストセンターにも投資をする余裕が生まれていることも背景にあると思います。
過去の不景気により、企業によっては社内SEの人員を削減していたところもありました。その際に削減した分の人員を利益の余剰がある今のうちに呼び戻しているという可能性もないとは言い切れません。
ここ数年で求人数が増えているため、注目の職種と言えますが、どのような背景で求人を増やしているのか、背景をしっかり理解したうえで企業・求人選びを行う必要はあるでしょう。

情報革新と景気による需要の拡大。背景を見極め、ステップアップできる選択を。

2011年にドイツがインダストリー4.0(第4次産業革命)の取り組みを発表して以降、日本もより積極的に技術革新を進めていくようになり、エンジニア人材の需要もそれに伴い急速に拡大し続けています。セキュリティ分野、データ分析分野においては特にそれが言えるでしょう。
ここ数十年で新たに生まれた職種は、まだまだ知見を持った人材が足りておらず、育成も間に合っていないのが現状です。裏を返すと、今から志すことも不可能ではなく、あなたが今持っている知識との組み合わせによっては、活躍の場をより広げることができる可能性もあります
時代の背景を踏まえたうえで、それぞれの職種に必要な知識とは何なのか、どうやったらこれらの職種へとステップアップできるのか、次回以降さらに深堀りして解説いたします。

>>第2回:情報セキュリティ関連職種編

キャリアアドバイザー プロフィール

亀田 隆明(かめだ・たかあき)

亀田隆明

某SIer企業に新卒入社。製造業界、小売業界の大手企業に対して、ITインフラ基盤の提案、要件定義、設計、構築に携わる。SIerで働いていくなかで、IT業界で働く方々の待遇改善の一助となりたいとの想いから人材業界へ転職。現在は大手外資系SWベンダーを中心にIT業界専任の企業担当、そして、キャリアアドバイザーを兼務。

(執筆・編集:GeekOut編集部)