元ITエンジニアのキャリアアドバイザーが語る、今注目のエンジニア系職種~情報セキュリティ関連職種編~

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前回の記事「元ITエンジニアのキャリアアドバイザーが語る、今注目のエンジニア系職種3選」にて、“注目の職種”として挙げられていた「情報セキュリティ関連職種」
ランサムウェア被害の増加、IoTの普及などが背景にあることは間違いありませんが、需要が拡大しているとは言え、情報セキュリティ関連業務の経験がないとなれないのでは?と思っている方は多いのではないでしょうか。
もちろん、情報セキュリティ分野の業務経験があるに越したことはありませんが、今のあなたの経験や知見を活かして活躍できるフィールドもきっとあるはず。
今回は、求人の拡大背景をさらに掘り下げつつ、「情報セキュリティ関連職種」と親和性の高い職種、ステップアップのために身につけると良い知識・スキル、やりがいについてご紹介します。

確実にニーズが増えている情報セキュリティ関連職種


―前回の記事で、「情報セキュリティ関連職種」の求人が増えている理由を簡単にお話しいただきました。「ランサムウェア」「IoT」がキーワードであったと思いますが、他にも契機はあったのでしょうか?

亀田 民間企業レベルへの影響でいうと、2014年にニュースにもなった大規模な個人情報漏洩事件は大変インパクトがあったのではないかと思います。この事件以降、情報セキュリティに対し関心を寄せる企業は急激に増加し、その需要に対する専門家や人材の供給というのはまったく間に合っていないのが現状です。
前回の記事でも少し触れましたが、経済産業省の資料によると、情報セキュリティ人材は2016年時点で13万人、2020年には20万人弱不足すると言われています。IT系の人材不足自体、深刻な問題であると言われていますが、先端IT分野(AI、IoT、ビッグデータ等に携わる人材)が2020年までに4.8万人不足すると言われていることと比較すると、需給バランスが桁違いに崩れているのが情報セキュリティの分野ですね。

―では、「情報セキュリティ」を今から仕事にするのは狙い目といえるのでしょうか?

亀田 もちろん他のIT関連スキルを持っていることが前提ですが、情報セキュリティ未経験からこの世界に挑戦するというのは今の時代はまったく無謀な話ではないですね。
「情報セキュリティ」は、ハードウェアからOS、ミドルウェア、Webアプリケーションなど多くのレイヤーで考えなくてはいけないことなので、ご自身の今までのエンジニアとしての経験を活かせるフィールドは多分にあると言えます。
IoTの分野まで含めると、組み込み系システムの領域も含まれてきますので、既に何かしらのエンジニアとして活躍している方であれば、プラスアルファの知識やスキルを身につけることで、情報セキュリティの世界に足を踏み入れることは十分可能だと思います。

セキュリティ関連職種に就くには、どんな知識があると良い?

―プラスアルファで身につけると良い知識や実践すると良い取り組みについて、具体的に教えてください。

亀田 具体的には3つあるかなと思っています。まず1つ目は、「情報セキュリティに関する情報収集を行うこと」、2つ目は「自身の専門範囲を広げること」、3つ目は「英語を身につけること」。ここには基本的なことも含まれているので、まず自分ができる範囲から一歩踏み出してみると良いかなと思います。

1.セキュリティに関する情報収集を行うこと

現在情報セキュリティ関連の仕事をしていない方が、情報セキュリティを専門分野として仕事をしたいとなった場合に、自分なりにインターネットや本をもとに情報収集や勉強をすることは当然やるべきことです。どこから手をつけたら良いものか?と悩んでいる方は、まず情報セキュリティに関する勉強会に顔を出してみるのはいかがでしょうか。意見交換もできますし、既に情報セキュリティ関連の仕事をしている人との繋がりも作ることができます。
また、我々のようなIT業界専門のキャリアアドバイザーがいる人材紹介エージェントに相談するのも一つの手段だと思います。企業が採用したい具体的な人材ニーズを我々は把握していますので、今の自身のスキルセットでチャレンジできるのか、もし足りないなら、何を補う必要があるのかを具体的にアドバイスいたします。

2.自身の専門範囲を広げること

一言に「セキュリティ」と言っても、ネットワーク、サーバ、OS、ミドルウェア(データベース等)、組み込み、Webアプリケーション……といったように、分野によって必要な要件はまったく異なってきます。カバーできる範囲が広ければ広いほど、総合的にセキュリティを考えることができる人材として評価もされやすいので、今の専門分野を究めつつも、担当できる技術の範囲を広げていけるとなお良いですね。

3.英語を身につけること

昨今、情報セキュリティの世界で起きている事件の特徴は、「全世界で同時多発的に発生する」ことです。ある新種のランサムウェアが出た際に、物理的な距離に関係なく、様々な国で一斉にそのマルウェアは拡散していきます。「Cerber」や「WannaCry」、「Petya」の流行はその代表的な例でしょう。世界中で起きている最新情報をタイムリーにキャッチアップし、状況の把握や対策を行う必要があるという観点で、英語の読解能力があるとより活躍の幅が広げられるのではないかと思います。

社会への貢献度が高い仕事。エンジニアとしての「これから」を見据えたコアスキルの転換候補としても、魅力的な分野

―情報セキュリティ関連職種の魅力とやりがいは、どのようなところにあるのでしょうか?

亀田 第一に言えることは、「これからも確実にニーズが増加する職種である」ということですね。
例えばインフラ系の職種でいうと、ここ数年で特にオンプレミスからパブリッククラウドへの移行トレンドは顕著であり、機械を意識しない時代になりつつあります。そういった状況で、コアスキルの転換を検討する人もいるのではないかと思うのですが、「情報セキュリティ」という分野は有望な選択肢と言えるでしょう。
人材の価値は人材市場の需給バランスの影響を大きく受けます。今後、需給バランスが大きく崩れたまま推移することが予想される情報セキュリティ分野で、専門的な知識・スキルを身に付けることができれば、今からでも市場価値の高い人材になれる見込みは十分にあると思います。
あとは、情報セキュリティの仕事はコツコツ型で目立たないと言う方もいるかもしれませんが、企業で情報漏洩というインシデントが発生すると、平均で2億3177万円の被害額になるという調査結果が出ています。これは大企業でなければ会社の存続が危ぶまれる規模の金額です。こういった規模の被害を防ぐ仕事であると考えると、「社会への貢献度が大変高い仕事」と言えるのではないでしょうか。実際に、私が担当している企業でセキュリティ関連の仕事をしている方からも、「顧客から非常に感謝される仕事だ」と聞いています。そういったところが魅力ややりがいにつながるのではないかなと私は思いますね。

(次回は、データ分析関連職種についてご紹介します)

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キャリアアドバイザー プロフィール

亀田 隆明(かめだ・たかあき)

亀田隆明

某SIer企業に新卒入社。製造業界、小売業界の大手企業に対して、ITインフラ基盤の提案、要件定義、設計、構築に携わる。SIerで働いていくなかで、IT業界で働く方々の待遇改善の一助となりたいとの想いから人材業界へ転職。現在は大手外資系SWベンダーを中心にIT業界専任の企業担当、そして、キャリアアドバイザーを兼務。

(執筆・編集:GeekOut編集部)